3301-3400

べりりと瞼を剥がして下さい
どの絵の具も相応しくない
僕は僕の言葉の素直さにいつだって嫉妬する
おまえが愛か
貴様の喉仏
落とした想いは夏に溶けた
いくつかの眠り
目覚めはあの場所で
パリで尋ねた件ですが
麗しい君が恐いのだ

梔子にさよなら
もう終わりだってわかるでしょう?
届けたい言葉はいつだって浅瀬に滲んで
だって春は来ないのよ
あなたがそういう悲しいことを云うからだ
インスタント人生
見付けてくれたらそれでいいです
黒猫は泣かない
アベリアの紐解き
謝り損ねた三十七度

ナルシストでなきゃ恋はできない
片付かない個室
君の囁きは谺する
綻んだ結び目
ごめんねなんて云わないよ
そうしてお前を噛み砕くのだ
あなたの骨が融けるまで
乱された衝動
切り取った嘗てのシーン
尖る正論

まだ軽傷
もう重症
わたしのあなたはもういない
そしてその瞼が還る事は二度とないのだと云う
それより先には行かなくていい
無様な散り際だった
どうしてかあなたの嘘だけは聞けなかったな
だってわからない
悲しくなんてないくせに
随分下手な振り方ね

焦れた本能を燃やし尽くした
one more last
ラストシーンをもう一度
君の頭蓋
そんなの永遠とは呼べないって知ってたのに
ねえなんであの日あなたを追えなかったんだろう
好きって云えばよかったんだ
この眼奪い取って化石にしてよ
壊してくれたらいい
ほんの少し嫌になってしまった

あなたの泪見ないふり
きっとわたしが泣いた所為
もういいでしょう?
効率的な破壊手段
入ってくるな
この螺子はあなたにあげる
消えてなんかやらないから
それでいいんだ
侵入口なら知ってる
そこに愛はありますか

満身創痍で愛そうか
だけど君が笑うなら
なのに君は笑うから
苦しくて苦しくて焼けそうだ
あの囁きだけ繰り返して
お願いがあったよ
悲しい告白ばかりする人だった
告げかけた唇
機能しないシナプス
滞った、伝達

逢いたかったので
そういう男を愛してしまった
ねえそろそろ手放せるかもしれない
わたしがいなくてももう平気なんだね
傍にいないこと=最大級の愛情表現
虚しい仮定に縋る朝
あ、夏だ
これが最後のさよならです
まだ光ってる?
泣いてなんかないよ

まどろみよりあっち
眠るのかい
ちっぽけな僕の世界で君だけが花だった
あの日見た大輪の椿を今日も憶えてゐる
そうね、詭弁ね
云わないであげよう
わざと爪を立てました
傷よどうか消えないで
攫わないでくれてありがとう
ここで生きるね

抉り出された心臓が、そこで砕いたお前が
じゃなきゃ泣いちゃいそうだった
以前の台詞を愛してくれる?
あの一行は燃やしてくれ
どうぞ離して
きっとこれが最善だった間違いなくそうだった
でも いや、続きは云わないでおくよ
連ねた愛に体温は無く
どうしてだ、どうしてどうして 君に
直にかみさまも溶けるから、今は