2401-2500

痛々しいほどに攻撃的な睫毛
挑発的なその眼で叱咤してみせて
わたしの前髪を切り揃えてくれるあなたはもういない
手違いによって生じたキス
唯一のミスは君があたしに恋したことね
あなたのことを好きになりたかった
白い指先が冷えた呼吸を強奪する
まぶたの上で踊るアイシャドウ
情事の後は余計なことは云わないでいて
冷ややかなくちびるが嘘を云ったわ

もっとずっと近くなれたら
この想いを愛と呼んではいけないのなら、僕は一体どう名付けよう
恋という感情は、後悔をするためにあるようなものだね
咽返るような薔薇の馨り
もしももう一度わたしを抱きしめるならその時は二度と放さないで
壊れていく度快楽を知る
爪の上で光る蝶々
あなたが彫った刺青は生涯わたしを苦しめる刻印になった
次のキスでお別れよ
燃え尽きるような青

彼が彼女に塗ったルージュ
桃源郷を失った彼らは
大匙三杯くらいの愛情
濾紙に純水
欲しがる金魚
痛がる人魚
もうこれ以上酸素を与えないで
まだ其処で眠っているの?
黄色くなった白衣をそれでもあなたは着続ける
ついばむように愛して

刹那、全てのことが連鎖致しました
ステップ踏んだ白い彼女はやさしき春待ち
春と夏が出逢う一瞬(この時のためだけに生きてる)
僕のこの手で包むには、君の心は美しすぎた
純粋≠美しい(汚れていてもきれいなものはきれいなの)
最後のワルツは残しておいて
そんな顔をする癖に、何食わぬ顔で貪るんだ
繋いだ手が震えてる
もう怯えないでわたしだけを見ていて
だってチョコレートは嘘を吐いたりしないから

君よさようなら、どうか世界一の幸福を(本当は僕のこの手で与えたかった)
このくちびるじゃ、さよならは紡げない
云ってしまえば本当に、二度とあなたと融け合えない気がして
何度も聞いてきたけれど、今日のさよならが嘘じゃないことは判るよ
駄々をこねたら帰ってくれた?
揺さぶられる蜻蛉
せめてそのしたたかな酸素の嘘を飲み干すまで
幸福な後悔
薬指の爪の呼吸
それでもまつ毛は強かに誇らしく上を向いていた

背中の羽が抜け落ちてしまったものですから
あなたの香りが未だ燻る部屋
ブラックアウトの罪に委ねる
泣いた分だけ増え続けるピアス
アイラインが滲むわ
傍に居たいと云ってくれたら
愚かしいまでにくちづけをせがんだ
椿と白と葬列
君に泣かれることが、僕にとっての唯一の恐怖だ
愛と呼べない愛をくれる

「君なんて好きじゃない」、そんな安物のうそ
とうとう禁断の果実に手を出した
わたしに彼の愛は贅沢すぎる気がしたので
煌くトリガーを引いて
世界で一番きれいな嘘
帰り道が判らないの(それでも信じて真っ直ぐ歩き続けているの)
そうすればもうこれ以上、泣かないで済むのかな
あたしより先に逝かないで、あたしより後に逝かないで
僕が怖いのは、僕が僕でなくなることだけだよ
スパンコールが弾け飛ぶ

だって、あなたを好きになれたら楽だと思ったから
もうこれ以上わたしに拘らないで(信じないで探り当てないで)
君の全てを欲しがった
花の鱗
お別れへのカウントダウン
どうせ輝き等失って直ぐに唯の石になる
いつまで聞こえないふりをしていられるかな
あたしのいけない処を見透かしたように笑うあなただから
さよなら三秒
どっちが先に落ちてしまうか競争しようよ

もうわたしを見つけないで
君が悲しまなくて済むような世界を造ることが出来れば良いのに
繰り返し別れを云う唇を唇で塞いだ
鬱血した心の唱
触れた指先が熱を孕んでる
君へ繋がる最後のテレフォンカード
さよならぼくのいとしい、
明け方五時三十二分に解ける魔法
あなたの手を引いて目指すはユートピア、そんな甘い夢
最初で最大の嘘

嘘や愛想笑いで自分を護れるのなら容易い
助けてと云ったら助けてくれるの?(違うでしょう?)
あの人が潰してしまった青
あなたの長所であるはずのやさしさが最近は凶器にしか思えないんだ
わたしのために永遠の不幸者でいてよ
無理矢理にでも攫ってくれるのを本当は待ってた
リップグロスに忍ばせたのはきっと愛じゃなくて
偽善者だって良い、君にだけ正しく在れたなら
そんな僕はいつだって心の中では君贔屓
別れ話は三年後に聞くよ