あなたは、まだ

その落日を背に
ラベンダー畑の真ん中に
高くそびえ立つビルとビルの隙間に
あなたによく似合うインディゴの屋根の下に
毎日通りがかったブーランジェリーの中に
今も瞬いた星たちの下に
こぼれ落ちた椿のとなりに
あなたが愛した本棚の前に
どこまでも同じ空の下に
昨日の続きに

存在しているのだと思う
だって見つけてしまうから

変わらぬ笑い声を立てて
変わらぬ速度で脈打って
そうして


あなたはどこ?