世界の中心はわたしではないわ
そこにはあなただって いないわ
世界はいつだって世界のものであり
わたしとあなたはそれを構成する
血であり肉であり骨でしか ないわ
けれどわたしという細胞が
あなたという細胞と
となりあわせで生まれたことなら
われらが主の世界でさえ
関与していない名誉だわ
遥か昔 ふたりはひとつで
わたしがわたしに あなたがあなたになるまえに
分かたれていたのだとすれば
たいそう痛い心臓も
中途半端な体温も
凍えるような寂しさも
漸く説明 出来るわね