管という管が あなたへとつながれ
白い部屋は 暑くも寒くもなく
不便はない 困りもしないで あなたは
ただ黙って天井を 見つめていた

悲観などしないで 時折 わらう
その瞳は驚くほど やさしい

あなたと同じ思いで その器具を
わたしが目にすることは なく
わたしと同じ思いで この部屋を
あなたが立ち去ることも ない
いとしくなって 伸ばす指先は 届くのに
あまりにも あまりにも 皮膚と皮膚が果てしない
隔てるものはきっときっと取り除けないし
取り除いちゃ いけないんでしょ?

管という管が あなたへと あなたへと
あなたへと 白い部屋は 白い部屋は
白い部屋で あなたが あなたが 弱くなる
わたしはそれを だまって 見ている