20150622
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短編小説/ワールズエンド症候群

その現象に名前はいらない
あじさいに春
耳鳴りのその奥に

まるであなたがいるようだ
霧のようにお別れを言って
私という俗物
あなたという怪物
化け物だって星屑を抱く
光れば夢を苛んで
幸せになんてなれやしないよあなたと此処にいる限り
あなたはその小指を知らんぷりした
唇にごちそう
眩いほどの僥倖をいつだって追想している

レイディ・ドッグ
夏至の心臓
サイダーはまぼろし
逆光/サイレント/それから彼らは
お願いだから、ずっとここにいてね
あなたの憂鬱を齧り取って消化したい
あの日の空は正しいものだった
これが愛だということも知らずにいた
名も無き絵描きに星屑の絵具を
今日が死んだら

それでもあなたが大嫌い
劇場ペチカより愛をこめて
花に嵐の喩があれば
コッペリアは薄氷の夢に齧りつく
誰が嘆いた
この檻は随分と広い
エリーゼは誰のために
その幽霊はビビッドカラー
散りゆく白鳥
旧作ヴァニラ

香り立つ夢
ペトリコールの続きを
幸福映像
魔法が解けたらさようならだってこときみも知っていたはずだよ
遠くあなたを慈しんでるよ ずるいのかな
あの星はもう
もう僕には何もありません なんにも、です
あなたの声を 声を こえを
あなたのことなんてもうとっくの昔に忘れてしまったよ
だけどそれでも、きみはさよならと言えるんだね

泣き虫なイド
アウトサイドのまぼろし
どこへもいかない
その日がきたら、打ち明けよう
きみとの未来を愛しすぎた
ほんの少しの嘘を吐いて
世界はもう必要ない
おねがいもう全部どうでもよくなりたいの
ねえ、わたしの口を見て
ペンネはトマトと茹りすぎたよ

世界でいちばんきれいだった恋にしよう
僕の左心室は君の部屋
砕けた春は夜に還る
右目に嵐を、左目には花を
滲むように溶けて跡形もない
お願いごとがあるのです
まどろむ椅子は夢を見た
その喉仏で雨を飼う
錆びついた蝶
低体温の小指

あなたの眼窩で朝を待ちたい
どうぞ、さよなら
くちびるをおくれよ
いつの日か愛してた
流星群が消えたその先までいこう
クロエに浸った指先で
舞台に一番近い場所
赤い靴を脱いだら
怠惰とソーダ
今ではもう見つからない海

あのね、マリ
いつかの懐中時計
それが美しくあるように
もういらなくなったものたち
あなたの足音を聴き取りたかった
どこかに行ってしまった心拍を
侵略者はどっちだ
遠退いてしまったよ、ジュディ
あなたと混じるアクリルの匂い
誰かのための水曜日

あなたばかりに届かない
セカンド・エラー
映写機は待っている 語られるその日を
絶望なんてたやすい
ちゃんと嘘にする
ねえ、時間が欲しい
あなたは私を救うのに
その告白は呪文のように
息をするのはもうやめて
彼女は何も知らない

この花園はあなたのためにある
宇宙船J-40780号に乗って
ミスター・ローレンツは愛されたかった
じゃあ美しかったことにしよう
まあ、はじめから腐ってたからさ
おまえが愛か
ばらと修羅
致死量の青春
あゝ、その唇で語らないで下さい
その時二人がすこやかでしたら
さみしいって気持ちをくれたひと
純粋の亡がらを拾うんだ
このフィルムだけが現像出来ない
一瞬でがらくたにしてしまえたの
ブラックアウトの罪に委ねる
カナリアの嘴がやさしくわたしの酸素を奪う
人魚姫のやさしいうそを信じてあげられないまま
ニヒリズムを噛み砕く
世界に403エラー
カメレオンなら神様になる方法を探していたよ
きれいなんかじゃない
青い鳥は三十人限定
君の一生が百万回あればいいのに
死ぬまでに、後何回くちづけて、後何回抱き合うのでしょう
優柔不断な恋のチープさ
きれいな恋だとおもってた
ぞんざいな嘘に身を匿った自分
モルヒネと君
Please give me oxygen!
僕は君が生まれた其の日を愛した
愛し合えない男と女
心臓の交換をしよう
センチメンタル・パラノイア
眠れないのは色褪せたあなたとあたし
文句のとまらないこのくちびるをキスで塞いで
さよならとワルツ
永久廃退少女
さよならの練習をしよう
シアンに君を溶かす

過日/金木犀/幻ではないいくつかのこと
山茶花は夢を見る

約十の嘘
色で十五のお題
五つのさようなら
製菓用品で五のお題
片仮名のシメで十のタイトル
今は遠き愛へ十の言葉
I WANNA TRUST YOU×10
色は匂えど散りぬるを
異世界で起きた十のお噺
平行線上の十の感情
硬貨と貴男と五の戯言

二周年
そのジャムは鮮やかな夜と白薔薇で出来ている

古い小話 配布物ではありません
樅と約束ペペロンチーノと除光液35℃の魚凍える掌初夏の爪蛇女カムフラージュ